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お医者さんがAIに負けた!

Googleのヘルスケア部門であるGoogle Healthが,AIによる乳がん診断で,人間の医師6人よりも正確に乳がんを特定することができたと論文で発表しました。いよいよ,医療現場でもAIが本格的に使われるような時代になるんでしょうね。今までは,IBMのワトソンが医療に応用されていることがニュースになっていました。2018年8月の1年半前の記事では,ワトソンの精度はまだまだ途上であるとのことでした。今回のGogle Healthの結果を受けて,AIによる医療診断が進んでいくんでしょう。GigaZineに紹介記事が出ています。

今回の論文で発表されているのはマンモグラフィによる乳がん検診です。AIがマンモグラムのX線画像を読み取って,画像診断を行いました。一方,人間の医師はマンモグラムの画像の他に,患者の病歴や過去のマンモグラムも参照したそうです。その結果,AIが勝っちゃったのです。

AIは事前に英国の7万6000人以上,米国の1万5000人以上の匿名化したマンモグラフデータで学習したそうです。人間の医師が経験を積んでも,こんなに大量のデータを読みこなすことは難しいでしょうから,このような大量のデータからガンを見つけるようなパターンマッチングの処理は,コンピュータに敵わなさそうです。

最近の論調は?

最近出た本でも,ユヴァル・ノア・ハラリの「21 Lessons」やリチャード・ボールドウィンの「GLOBOTICS」などでAIが人間の職業を代替していくだろうと論じられています。それぞれ,AIによる雇用破壊が発生することを指摘しています。AIによる雇用破壊は,きっと浸透していくのでしょう。

その時に,人間は不要になってしまうのか,新しい職業を見つけ出すのか?今のところ,変化が発生して雇用破壊が発生するタイミングと,新しい職業が見つけ出されるタイミングで時間のズレやスキルのズレがあるため,辛い思いをする人が多数出てくるであろうという意見が多いです。マンモグラムデータから乳がんを診断しているお医者さんは,現在の診断業務の仕事は無くなってしまいますが,この単調業務から解放されて,もっとクリエイティブな仕事をすることになるとポジティブに書かれていることもあります。

しかし,乳がん検診で必要となる人の数は確実に減少するので,その分,医師の仕事(高い給与の仕事)につける人が減少します。その人たちが,もう少し給与の安い仕事につくことになり,そこからあふれた人が,さらに給与の安い仕事に行くことになり。。。全体として,労働者の生活は貧しくなってしまいます。これを心配している識者が多いようです。

AIが人間の仕事を代替していくのは,避けられないと思います。自分や子供にどのような教育をするのが良いのか,ちゃんと考える必要がありそうです。巷ではSTEM(科学,技術,工学,数学)がもてはやされています。私は,今だからリベラルアーツが必要なんじゃないかなぁって思っています。

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