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独裁国家というのは,とんでもないことを平気でやるんですね。中央アジアのカザフスタンでは,政府がユーザに対して「2016年1月1日から、カザフスタン政府が認証したルート証明書をインストールしなければなりません」という命令を出しています。ブラウザにルート証明書をインストールすると,そのルート証明書を使って,ユーザのHTTPS通信を傍受することができてしまうのです。カザフスタン政府は,これを承知でルート証明書の導入をユーザに強要しているようです。
GigaZineに紹介記事が出ています。

以前,アドウェア開発会社のSuperfishがLenovoのPCに自己署名証明書をインストールさせて,迷惑広告を表示させていた事件がありました。私のブログでも言及していますのでご参照ください。

これと同じことが政府規模で起こってしまっているわけです。ホント,独裁国家ってろくなことをやらない。

不正なルート証明書を導入してしまうと何が起こるのかは,前のブログでも書いていますのでそちらを見て欲しいのですが,政府が中間者攻撃をやりだすと,HTTPSの仕組みが根本から崩壊してしまいます。これは,ブラウザ開発側が対応する必要がある事態ですね。

「国家はなぜ衰退するのか」に,衰退する国家の条件として,国家の運営が少数の収奪側のエリートと被収奪側の人民になっていることが挙げられていますが,独裁国家はまさに人民を収奪して成り立っているものだと思います。人道支援などを行う前に,この収奪している人たちが収奪しにくいようにするのも,私たちができることなのではないでしょうか。

中国の例を見てみわかるように,デジタル技術と独裁体制は相性がいい。「純粋機械化経済」では次の覇権国家は中国だと言っているようです。私はこの考え方には賛同しませんが,もし,中国が覇権国家になってしまうと,世界中で現在の中国が行なっているような監視社会が実現されてしまうんでしょう。おとなしい日本人なんて真っ先にターゲットにされてしまいそう。ジョージ・オーウェルの描いたデストピアになってしまいます。

「ホモデウス」を読むと,人類の将来は少数のエリートがバージョンアップした超人と,無用階級に分断されるような未来が提示されています。こうならないように,社会や政治の動きを見ておく必要があるのだと思います。

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